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Lee-Byung-hun addicted

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第7話

Cupido×Cupido(7)


「ただいま~」
その声で揺は我に返った。
「お帰りなさい。二人ともどこ行ってたの?」
「今日はカラオケ大会で~す。」不二子が笑って答えた。
「ビョンホン君うまいのよね。今度一緒に行こうね。」
「はい、お供します。」
「揺ちゃん、ホントいい男捕まえたねぇ~」不二子は笑いながら言った。
「そりゃ、私の孫だもの。当たり前よ」聞いてそうになかったのに突然口を挟んだトメの言葉に皆大笑いした。
「ビョンホンssi 20:00の飛行機だから羽田まで送ってくるわ。もう出ないと」
「あっ、そう。気をつけてね。ビョンホン君また揺が留守の時においで。遊んであげるから。」
「ちょっとやめてくださいよ。不二子さん。」怒ったように言う揺。
「冗談よ。ムキになっちゃって可愛いねぇ~」不二子は笑いながら答えた。
(絶対、半分本気のくせに)
「何か言った?」と不二子。
「いえ、別に。じゃ、いってきま~す。」
そんな二人の会話をそばで聞いていたビョンホンはクスクス笑っていた。
「じゃあ、おばあちゃんも不二子さんもお元気で。お世話になりました。」
ビョンホンはそういうと二人とハグして別れを惜しんだ。
「早く早く。間に合わなくなっちゃうよ。」せかす揺。
「減るわけじゃあるまいし。あんたこれから先大変だよ~」玄関先で不二子が面白がって言った。
ビョンホンはまんざらでもなさそうに笑って答えた。

「・・・でこの先の展開だけど。彰介、シナリオ通りの行動に出ると思う?」
助手席に座ったビョンホンは外の夜景を見ながら揺に話しかけた。
「あいつの性格からしてあの感じだと100%大丈夫だと思うけど。」
「じゃあ、綿密に連絡を取り合って計画を進めよう。」
「でもさ、何で素直に紹介するだけじゃだめなの?」
「お前、意外と夢がないなぁ~。やっぱり何か劇的なことが起こったほうが出会ったときのインパクトがあるじゃないか。」
「そういえば、私たちの出会いって、あんまり劇的じゃないよね。」つぶやく揺。
「いいんだよ。俺たちの出会いは運命なんだから。それに二日しか会ってない相手とお互いすぐ結婚決めたのに何が劇的じゃないんだよ。充分展開は劇的じゃん。」笑いながらビョンホンは答えた。
「そっかぁ~。そうだね。」妙に納得した揺はCDのスイッチを押した。
車内に『TEARS』が大音量で流れる。
「ねえ、恥ずかしいからお願いだからやめてくれない。」
真っ赤になって耳を塞ぐビョンホン。
「いいじゃない。聞きたいんだもん。それとも生で歌ってくれる?」
揺は悪戯っぽく笑った。


数日後。予定通り彰介から揺に電話がかかってきた。
「もしもし、揺?俺だけど」
「ああ、彰介?何どうしたの?」揺はビックリしたかのような声で答えた。
「この間、ヒョンとけんかしちゃってさ~。ちゃんと仲直りした?」
「しないわよ。彼が謝ってくるまで絶対に許さないんだから。私のこと、のけものにして」
「何だか揺いつもと違くない?」怪訝そうな彰介。
演技がオーバーになりすぎて疑われ始めていることに気がついた揺はちょっと動揺した。
「とにかく、あれから彼とは話してないし。知らないわ。彰介は行くんでしょ?ゴルフ。」
「うん。でさぁ~仲直りさせてやるからさ、一緒に行かない?ヒョンに内緒で。」
(キタキタキタ・・・・・)
「え~っ、気が進まない。何か私が歩み寄ってる感じじゃない。」
「そんなことないよ。ちゃんとヒョンには俺から話すからさ。お互い好きでしょうがないくせに意地張っちゃってさ。」
(ククククク・・・・)
「本当に?上手くやってくれるの?」
「任せとけよ」
「わかった。じゃあ、行くよ。チェジュド。」
「よしよし。俺に任せとけって。じゃ、飛行機予約しとくから。」
「は~い。じゃ、よろしく」
(何か妙に最後明るかったような・・・気のせいかな)
彰介は電話を切りながらふと思った。


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